公共選択学会第2代会長・黒川和美先生を偲んで

                                          第4代会長・原田博夫

 黒川和美先生(法政大学教授)が2月2日(水)午後、逝去されました。この5年近くは、渾身の力で懸命に病気に立ち向かってこられましたが、薬石効なく、残念ながら力尽きました。享年64歳でした。
 黒川先生は、日本における公共選択論の導入・定着・隆盛に、大いに貢献しました。掛け値なしに、最大の功績者といっていいと思います。パブリック・チョイス・センターがまだ米国ヴァージニア州ブラックスバーグに所在していた当時、年次大会に果敢にチャレンジされ、創設者のブキャナン先生やタロック先生たちと正面から議論を交わされました。日本への導入に際しては、初代会長でもある加藤寛先生(慶應義塾大学名誉教授)とタッグを組み、1980年代以降は、学会ベースでの浸透だけでなく、政策立案・制度改革に道筋を付けてこられました。
 加えて、天性の教育者で、多くの学生・院生に恵まれ、慕われただけでなく、熱心な指導の結果、多数の研究者も育てました。
 黒川和美先生、ありがとうございました。ご苦労様でした。満腔の敬意をもって、ご冥福をお祈りします。

                                               平成23年2月